地域と交流し「ぬくもり」のある場所に松本
2021年1月14日
プロフィール
お名前
森田新さん
年代
20代
居住地
松本市
居住年数
1年6カ月
- 暮らしの経緯
- 松本の専門学校卒業後、伊豆・三重と経て再び松本市へ
- 暮らしの中で大切にしていること
- 地域の人たちやお店、そこで働く人たちとの協力や交流
- これからの暮らしの希望
- 地域や近所で頑張っている人たちと協力して、この地域を「ぬくもり」と「安心感」のある場所にしたい
- 住まいの変遷
- 上諏訪の実家→伊豆の旅館→三重の旅館→松本で自身が経営するゲストハウスの3階
意気投合した二人の暮らしの答えは「カフェバー&ゲストハウス」
上諏訪出身の森田新さん。松本市の料理専門学校を卒業後、「世界的に需要のある和食の知識と技術を学びたい」と伊豆の旅館で料理人として修行。その後、三重の旅館では仲居として働き、接客を学びました。
その旅館で、17歳までペルーに住んでいたという鈴木彩良さんと出会いました。
一緒に働くうちに意気投合し2019年、森田さんが23歳の時に、かつて生活していた地、松本にカフェバー&ゲストハウス「MINKA HOUSE」をオープン。
料理が好きで独創的な感性の森田さんと、ペルーで生まれ育ち、旅行と美術が好きで語学力とコミュニケーション能力の高い彩良さん。そして二人に共通していた「ものづくりと人との交流が好き」という思いを掛け合わせた答えが「ゲストハウス&カフェバー」でした。
古民家をリノベーション
松本市内にある古民家を改修したゲストハウスは、ベッド、テーブル、イス、また、カフェのカウンターなども森田さんと彩良さん、そして友人たちによる手作りです。
畳や障子など古民家の良さはそのまま生かしつつ、自然が好きで表現豊かな森田さんの感性と空間演出デザインを学んで来た彩良さんの感性を織り交ぜて改修した空間。流木を利用したオブジェや、花、アート作品が所々に飾られています。
カフェのランチでは、ペルーでしか手に入らない香辛料を使った、彩良さんによる本場仕込みのペルーカレーを提供。さらに、森田さんによる五感で楽しめる創作スイーツなども楽しめます。
MINKA×お客さん×地域の人たちで起こす交流の化学反応
「MINKA HOUSE」では宿泊場所やコーヒーを提供するだけではなく、希望するお客さんには店内のカフェスペースを提供して、さまざまなイベントを開催しています。
弾き語り、靴磨き、タロット占い、そしてアーユルヴェーダのマッサージなどイベントの内容にこだわらず「やりたい」「やってみたい」という若者たちを積極的に応援。
「頑張っている人を応援したい、という気持ちです。もちろん応援するだけの関係ではなく、お客さんは気軽にイベントができ、僕たちは地域に貢献でき、さらにお客さんが集まることで僕たち自身がレベルアップできる。全員にとってプラスです」と明るく話す森田さん。
友人、お客さん、近所の住民。森田さんの「交流」の範囲は、仕事や生活に関わる全ての人たちを指しています。
そんな「MINKA HOUSE」では時々、思いがけない出合いを引き寄せることがあります。
「いつもコーヒーを飲みに来てくださる近所の呉服屋のおばあさんが、『いつも若い二人が頑張っているから、きょうは友達を連れて来たの』と紹介していただいた方が、実は何十年も前にこの古民家で生まれ育った方だったんです。
そして、その方が子ども時代に身長を測った記録がまだ、シャワールームの入り口の壁に残っていて...それを見てとても懐かしそうにして『長い間、誰も住んでいなかったこの古民家に若い子たちが新しく魂を吹き込んでくれて本当にうれしいわ』と喜んでくださいました。
そこだけは、改修せず、今もまだ書かれたまま、そのおばあさんの思い出としてとってあります」
少年時代に遊んだ秘密基地のような部屋
そんな森田さんの住まいは、このゲストハウスの2階から3階へ伸びる梯子を上った先にあります。現在は、彩良さんも住み込みで働いていて、押し入れだったスペースをリノベして、彩良さんが絵を描く机にしています。
8帖の部屋は「子どものころ、わくわくしながら遊んだ秘密基地のよう」とうれしそうに話す森田さん。
今後のことを伺うと、2021年の2月をめどに1階のカフェバーに新しく作家の「木と硝子の器」の作品を展示販売するスペースをリノベ中で、ギャラリーカフェに生まれ変わるそうです。そして「今後も人とのつながりを大事にして、ぬくもりのある空間にしていきたい」と二人は話します。