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築130年の古民家をリノベーションした完全菜食カフェ南信州

築130年の古民家をリノベーションした完全菜食カフェ

プロフィール

お名前

山浦祐貴さん

年代

30代

居住地

辰野町

居住年数

3年

暮らしの経緯
塩尻市出身。親の転勤で東京で暮らしていた頃、東日本大震災が起こり塩尻市にUターン。その後、辰野町にビーガン料理の古民家カフェをオープン
暮らしの中で大切にしていること
無農薬の野菜にこだわった料理を提供していくこと
これからの暮らしの希望
仕事と生活のバランスをうまくとる
住まいの変遷
塩尻の実家→東京で賃貸マンション→塩尻の実家と古民家をリノベしたカフェのプライベートルーム

東日本大震災を経て、自分の大切なものに気づく

どろん田バレーの写真

写真:株式会社三和商会提供

 辰野町川島地区渡戸集落の夏の風物詩、どろん田バレー

塩尻市出身の山浦祐貴さん。親の転勤で子ども時代から高校までを東京で過ごし、その後、2011年、東日本大震災を機に家族で塩尻の実家に戻りました。

 

実家に戻った後、ここで何をしようかと考えていたところ、ビーガン(完全菜食)料理に出会います。

「自分がアトピーだったのでビーガン料理に興味を持ちました。毎日、食べ続けても大丈夫なもの、無農薬の野菜が大切なことに気づきました。いろんな人がいて、いろんな料理があるなかで、ビーガンという料理があるんだよと知ってもらいたくて、お店を開こうと決意したんです」と山浦さん。

 

そして、塩尻市内でビーガンの焼き菓子を販売するチャレンジショップを経て、2017年に「農民家ふぇ あずかぼ」を辰野町川島地区にオープン。

先輩町民たちから、「若者がお店をやって頑張っている」と期待されています。

若者やお年寄りが元気に暮らす、自然素材の古民家で開業

 

あずかぼの全景
農民家ふぇ あずかぼ

店名の「あずかぼ」は冬至の時に食べる健康料理の“あずきかぼちゃ”からとったそう。「自然食を出すお店なので、ロケーションにもこだわり、商店街ではなく自然の中で店をやりたかったんです」と山浦さん。

 

カフェのある川島地区の渡戸集落では60世帯程が暮らし、その約7割程が60歳以上ですが、山浦さんも驚くほど皆さんお元気だといいます。

 

「地区の共同作業に参加すると、80代の方でもビーバーを使って手際よく土手の草刈りをします。また、山の整備をしに行く時も皆さん斜面をひらすら登り、チェーンソウで木を伐採し、元気よく運び出します。以前、田んぼで開催された“どろん田バレー”でも皆さん、生き生きしながら楽しまれていました。地区の先輩の皆さんからすれば、30代の私は赤ちゃんみたいなもんです(笑)」

 

そして、料理や場所に合わせ、内装もこだわり、体にやさしい自然素材、自然塗料、漆喰、無垢材を使った空間になっています。

県内外から集まった、延べ250人程のボランティアが改修作業

あずかぼの店内写真
ある土曜日のランチタイム

その落ち着いた空間は、空き家バンクで見つけた築130年の古民家を「あるイベント」の協力のもと、7カ月かけ改修したものでした。

辰野町移住定住促進協議会による「若者向けDIY改修イベント」です。11回の開催で建築設計士と大工によるアドバイスのもと、県内外から集まった延べ250人程のボランティアが改修作業を行いました。

「役場のイベントもあり、改修を始めて2、3カ月は住民ボランティアの方々に片付けや、ペンキ塗り、床張りを手伝っていただきました。自由に楽しんでやっていただいたので、みんなの楽しい思いも宿っていると思います。その後は、個人的にSNSで改修のお手伝いを呼びかけ、知人にも手伝っていただきました」

そのリノベーションの経験から「完璧にやろうとしなくても、例えば、塗装で少しくらいはみ出していたり、隙間が空いてもアジになるので、逆にそれを楽しむことが大切」と山浦さんは教えてくれました。

訪れるお客さんも古民家ならではの造りと雰囲気を気に入り、ついつい長居をしてしまうそうです。

「今は模様入りのガラスは珍しいんだよ。昔の家の柱や梁は手作業だし自然のゆがみとか、どれも味があっていいね」

「自然の中に囲まれていて、木の温もりを感じました。人が住んでいた感じもあり、その中で食べると家庭的なものを感じますし、料理もひと味違いますね」

また、近所の住民も「家じゃないお茶のみ場ができてうれしい」と山浦さんとの世間話を楽しみに来るそうです。

 カフェの奥にはプライベートルームをつくり、
塩尻と辰野の二地域生活

山浦さんのプライベートルーム写真

手前の部屋が山浦さんのプライベートルーム。奥は客席

 

そんな山浦さんの住まいは、塩尻の実家ですが、忙しい日や地区の行事や作業で朝が早い日など週に何日かは、カフェの奥にあるプライベートルームに泊まるそうです。畳の和室を寝室に、また、フローリングの部屋を居間として過ごします。

仕事が終わった後や休日は、高校の頃からの趣味のギターを、縁側の窓を開け風を感じながら弾くのが心地よいと言います。

「自然に囲まれてギターを弾いたり歌ったりするのは、特別感があります。それに和むし気持ちいいです」

 

そして、日々、忙しい毎日を送る山浦さんに今後について伺うと

「仕事が暮らしの一部なので、オンとオフのバランスをうまくとって、楽しみながらこの暮らしを続けられればいいですね」と話してくれました。

 

プライベートタイムの写真

 

耳寄り情報

辰野町の空き家バンクで古民家を見つけ、辰野町定住促進空き家改修費等補助金の支援制度を利用しました

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