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一家4人と住人たちのシェアハウスでの暮らし佐久

一家4人と住人たちのシェアハウスでの暮らし

プロフィール

お名前

柳澤洋介さん

年代

40代

居住地

佐久市

居住年数

34年

暮らしの経緯
父の仕事の影響で建築士として設計を手掛ける一方、4年前に元旅館を購入し、シェアハウス&ゲストハウスの経営も行うように
暮らしの中で大切にしていること
古い建物に新たな付加価値を見いだし、活用していきたい
これからの暮らしの希望
地元商店街の空き店舗の入居率が上がり、街の活性化につながるよう『ものづくりをする住人』をシェアハウスに呼べるようにする
住まいの変遷
佐久市の一軒家の実家→東京で賃貸アパート→京都で賃貸アパート→佐久市に戻り実家→結婚を機に実家の倉庫の2階をリノベして住居に→元旅館をリノベし住居も兼ねる

価値観を変えたインドと東南アジアの旅

柳澤さん宅の屋内と子どもたち
柳澤さんの子どもと、すっかり仲良しになった短期滞在者の子ども

県内佐久市出身の柳澤さん。高校を卒業後、父の影響で東京と京都の二つの専門学校へ通い建築を学びました。

 

「父親が茶室の材料として使われる床柱の加工をやっていたので、その影響で私も、茶室の建築をやりたいと思い建築の道へ進みました」

 

京都で数年間、建築の仕事に携わった後、地元•佐久市に戻り、3年ほど建築事務所で働いていたある日...

 

「ある小説を読んだら、海外を旅してみたくなったんです」と柳澤さん。インドと東南アジアの建築物を4カ月見て回りました。その時の、旅先で過ごしたゲストハウスでの経験が、その後の仕事につながっていると話します。

 

「旅をしている時に、日本人でも普段、会わないような人たちと出会って『こんな暮らしをしている』『将来、何をしたい』とかいろんな話をしたり、さまざまな国のバックパッカーたちとも交流するうちに、人生観が広がりました」

元旅館をリノベーションし、シェアハウス&ゲストハウスへ

リノベーションされた柏屋旅館

柏屋旅館〈シェアハウス〉

 

帰国してからは再び、地元•佐久市内の設計事務所で働き、31歳の時に独立して設計事務所を開業。特にリノベーションに力を入れるようになります。

「地元には空き家が多いので、ただのリフォームではなく何か付加価値をつけたリノベーションが、これからの設計の核になるのではと思いました。ある日、不動産情報で元旅館の物件を見つけ、シェアハウスなら建築の仕事もでき、面白そうだな思いました」と柳澤さん。

物件は気に入りましたが、即購入してもお客さんが入るか分からない不安もあり、物件の所有者に相談し、入居者募集のホームページを作り、どれくらいの需要があるか、3カ月に一回、見学会の募集をすることに。

「一時期は6人くらいの入居希望者がいたので、それだったら事業として成り立つかなと思い、この旅館を購入しました」

シェアハウスの住人とゲストハウスの滞在者が集う
アットホームな空間

シェアハウスの室内
シェアハウスの住人や短期滞在者と交流する柳澤さん(右手前)
シェアハウスの室内
カフェスペースで勉強に集中する、短期滞在の学生

名前は、当時のまま「柏屋旅館」にし、リビングだったスペースはカフェに、また、お風呂の脱衣所を新しくリノベーションしました。壁塗りを行った時はワークショップの開催をSNSで呼びかけ、壁塗りに興味のある大学生や親子、東京時代の友人、同じ佐久市内のコワーキングスペースの会員など30人程が集まり、作業を行ったそう。そのつながりから今でもコワーキングスペースの利用者が「柏屋旅館」に宿泊することもあると言います。

 

現在シェアハウスは6部屋あり、住人は、学生や会社員、ウェブ関係などの4人。皆さん、シェアハウスでの暮らしを楽しんでいると言います。

 

「去年の2月に泊まりに来て、オーナーの人柄と居心地の良さもあり入居することにしました。ここは家と同じ感覚で過ごせ居心地が良いです」

「建物もあまり手を入れすぎていないので、魅力があると思います。夜になると、ふらーと住人が集まってきて、交流スペースで会話を楽しんでいます」

当初はシェアハウスのみの予定でしたが、宿泊予約サイトに掲載したところ、宿泊希望者が多かったので、現在は5部屋をゲストハウス用の部屋としています。

都内から自然の中で勉強に集中したいと短期滞在中の大学生は

「夜は、星空が見え気分転換になるので、ホテルに宿泊するより勉強がはかどります」と話します。

シェアハウスならではの、にぎやかな暮らし

パソコンに向かう柳澤さん

柏屋旅館のフロントで設計の仕事をする柳澤さん

柳沢さんと妻の恵美さん、2人の子どもの一家4人も柏屋旅館で暮らしています。

 

ゲストハウスの業務以外は、本業の設計の仕事をしている柳澤さん。夕方になり、2人の子どもたちが小学校から帰宅すると、妻の恵美さんも仕事があるため、子どもたちの夕飯を作ります。恵美さんが仕事から戻り4人そろうと、大広間でにぎやかな夕飯の時間に。話題は子どもの友達のことや学校での出来事が中心です。

 

シェアハウスでの暮らしについて、子どもたちは

「部屋がたくさんあり、遊ぶところがいっぱいあって、探検するのが楽しい」と喜び、妻の恵美さんは

「子どもたちが、ここでいろんな人に会えるのは、生きていく上で良いことだと思う。上の子は、引っ込み思案だったが、人との関わりが上手になりました」と話します。

 

柳沢さん一家にとっても良い交流の場になっているようです。

 

今後について、柳澤さんに伺うと、“ものづくり”をしている人が入居してくれればいいなと話します。

「例えば、東京で陶芸をやりたい若者がいたとして。アパートを借りて工房も用意するとなると、けっこうな金額がかかると思うんです。こういうシェアハウスなら地方なので家賃も安いし、工房もあるので仕事もできる。そして、いずれは商店街の空き店舗も利用してもらえれば、活性化にもつながると思います」

 

食事をする柳沢さん一家
 

 

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