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地域とアートをつなげる「工房兼カフェ」長野

地域とアートをつなげる「工房兼カフェ」

プロフィール

お名前

角居康宏さん

年代

50代

居住地

長野市

居住年数

10年

暮らしの経緯
前妻の祖父の家が空いていたので県内上田市へ移り、その後、現在の長野市中条へ
暮らしの中で大切にしていること
創作活動をしながら地域の人や、ものづくりの人たちとの交流を深める
これからの暮らしの希望
ものづくりをする人を中条地区に呼び込んで活性化したい
住まいの変遷
金沢の美大生時代は実家の1軒屋→愛知県の陶芸家の元で修業時代は住み込み
→結婚を機に県内上田市の前妻の祖父の1軒家→長野市の貸家→長野市中条の古民家を購入

ものづくりの仲間たちと古民家をリノベーション

中条アートロケーション《場》の外観
工房兼カフェにリノベーションした古民家

地元•金沢市内の美大に通っていた学生時代、愛知県で活動する陶芸家の元へ通っていた角居康宏さん。卒業後はその陶芸家の先生の工房に住み込みで、2年程修行されたそうです。

「ものづくりをして生きていくプロの姿を目の当たりにして憧れたのが、創作活動を始めた最初のきっかけです」と当時を振り返る角居さん。

26歳のころ、創作活動を行うため、前妻の祖父の家が空いていたので上田市へ。そして、2011年に長野市内へ拠点を移した後、創作や仲間と活動する広いスペースを求め、長野市空き家バンクで中条の古民家を見つけ、2018年に購入。

「予算にも合い、広いスペースだったので良かったです。また、地域との交流も考えていたので、幹線道路沿いだったことも決め手に」と角居さん。

仲間たちと工房を整備し、「中条アートロケーション《場》」と名付けました。

その後、数カ月かけ工房の隣にカフェ「美場」をオープン。電気、ガス、水道以外はほぼ自分たちで改修を行ったそうです。

さまざまな作家の作品に触れ合える、カフェ「美場」

リノベーション前の室内
写真提供:Shinichi Kanai リノベーション前のカフェ「美場」
リノベーション後の室内
リノベーションしたカフェ「美場」でくつろぐ角居さん

「僕が感じている美術と、一般の人が感じる美術はすごく隔たりがあって。

美術というものに、あまりハードルを設けず、触れてもらえたらと思っています。コーヒーを飲みに来たら、たまたま隣でものづくりをしているとか、そのくらいの垣根の低い場所にして、いろんな人とこの場所でつながっていければ良いなと思います」と工房にカフェを併設した理由を話す角居さん。

カフェの食器類などは友人の作家の作品を使用しています。また、店内には木工家やカメラマンの作品も置かれ、気軽に美術と触れ合える場となっています。

地域の人とつながるワークショップで、村を活性化

工房の様子
工房で作品づくりにとりかかる角居さん

隣の工房では、角居さんが夜遅くまで創作活動を行います。

仲間が訪れると、冬は友人が作った薪ストーブを囲んでお茶を飲んだり、時にはお酒を飲みながら、創作や今後のイベントの話で盛り上がることも。

また、カフェや工房を使って、地域の家族連れも気軽に参加できる「ワークショップ」も行っています。

角居さんや仲間の画家や写真家などが講師を務め、子どもたちの夏休みの宿題も兼ねた工作や、大人も楽しめる竹とんぼ作りに、金属のアクセサリー作りなども。

「こういう場所が中条にできてうれしい!」「楽しかった!子どものころを思い出します」と、住民たちも喜んでいます。

そんな角居さんの自宅は、工房兼カフェの隣の古民家。

「自宅では寝るだけで、引っ越してからまだ物が片付いていません」と笑う角居さん。

長野市中条に移り2年が経ち、近所の住民からも良くしてもらうと言います。

日頃から「お昼ご飯持ってきたよ」と、おやきや野菜などの差し入れをいただいたり、一緒に隣のカフェでお茶をしたり。夏は住民たちと、BBQなども楽しむように。

また、ワークショップを通して仲良くなった地元の子どもたちとも挨拶したり、言葉を交わしたりという交流ができたそうです。

今後は“アーティスト•イン•レジデンス”でさらに盛り上げる

工房の様子
横に並ぶカナヅチは角居さんの自作

地域とアートをつなぐ架け橋になってきた角居さんですが、さらに先のことも考えていると言います。

「中条の人口が1800人を切り、そのうちの半分以上が65歳以上の限界集落で、これからも空き家が増えていくと思います。

ですので、ものづくりをする人たちに、中条のいろんな空き家に来て滞在しながら“アーティスト•イン•レジデンス”みたいなかたちで創作活動をしてもらったり、ゆくゆくは住んでもらえたら、また面白くなると思うんです。ものづくりの人が来ても、産業的に村の経済が潤うような訳ではないですが、面白い人たちがいる村として注目され、人が集まってくれて住民との交流も増え、もっと活性化していければうれしいです」

 

耳寄り情報

長野市の空き家バンクの制度でこの古民家をみつけリノベーションしました

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