プロフィール
お名前
木股弦登さん
年代
20代
居住地
飯田市
長野県飯田市にある遠山郷(とおやまごう)は、日本の秘境100選のひとつで、長野県の最南端に位置する飯田市南信濃の山深い谷間に広がる地域。
上村にある下栗の里は、標高900~1100メートルの小さな集落で、「日本のチロル」とも呼ばれる絶景地です。
木股玄登さんは、東京の大学を卒業後、狩猟に興味を持ち遠山郷にIターンしました。
長野県に縁はありませんでしたが、インターネットで狩猟について調べ、阿智村で狩猟をしていた方から、現役の猟師を紹介してもらい一緒に狩猟をやろうと誘ってもらいました。
お祭りから伝統と文化を感じる
木股さんは、住んでいる地区の遠山郷の霜月祭り保存会のメンバーとして毎年参加し、準備から当日の運営までのすべてに参加しています。
霜月祭りというのは、南信州の遠山郷の上村・南信濃の各神社で、今からおよそ800年前に始まったといわれているお祭りで、国の重要無形民俗文化財に指定されています。
祭りが行われるのは、毎年12月の寒さが厳しい冬。
日本全国の神々を招いて湯を献じ、自らもその湯を浴びることで、新たな年の生命再生を願う祭りで、社殿の中央に設えたかまどの周りで様々な神事が行われます。
神々と人が近い祭りと言われています。
「ここで生まれ育ったわけではないけれど、霜月祭り保存会や消防団など、地域の活動をしていることで、自分のことを知ってもらえて住みやすいです」
シェアリングという魅力
2020年8月、『HIBI CURRY(ヒビカリー)』オープン。
HIBI CURRYは、シェアカフェ『アヲハト』で、スパイスカレーを提供するお店として木股さんがオープンしました。
インドカレーに近いスパイスカレーを作っています。
シェアカフェ『アヲハト』の店主さんが産休に入られるため、誰か代わりにお店をやってくれるような人はいないかな…と探しているというお話を聞き、今まで飲食業の経験は全くありませんでしたが、カレー屋を始めてみることを決めました。
「もともとスパイスカレーが好きで、シェアカフェの空いている時間でお店を開いてみようと思ったんですよ」
以前は介護士をしていました。
「今は全国で、飲食業が大変な時期だと思うんですよね。オンラインが増えたこの時期に、直接お店に来てくれて、また来たよと言って来てもらえると本当に嬉しいです」
と木股さんは話します。
大好きな狩猟から学んぶこと
「自分で鉄砲や罠をかけて、命にとどめをさす瞬間から、お肉にしていくプロセスの一瞬一瞬すべてに立ち会えること。それが自分に合っているというか、一番おもしろいところです」
木股さんが考える狩猟の魅力です。
いつも自分が口にしている肉は、頭の中では肉になるまでのプロセスが分かっているつもりではあるが、その現場に立ち会ってみないと分からない。
どんな感情や思考が生まれるのか。
狩猟は、学べること、気づくことがたくさんあると言います。
「南信州で住んでいると、地域を身近に感じるんですよね。色々な人たちの価値観や知識にふれながら、狩猟ややりたいことをやって暮らせていることは、とても充実しています」
木股さんは自分の感性を信じ、自ら見たものや経験したことを大事にしながら、これからもこの遠山郷で生きていきたいと考えています。