夢はいつか仲間と暮らす“村を”つくること南信州
2020年12月28日
プロフィール
お名前
四宮陽我さん
年代
20代
居住地
下條村
居住年数
2年
- 暮らしの経緯
- 東京から大工の勉強をするため、県内飯田市へ。その後、結婚を機に仲間も集まれる広い古民家を探し下條村へ移りました
- 暮らしの中で大切にしていること
- いつか仲間たちと暮らせる“村”をつくるための環境作り
- これからの暮らしの希望
- これまで出会った仲間たちと暮らせる“村”をつくりたい
- 住まいの変遷
- 東京では実家の一軒家→大工の勉強をしに移った県内飯田市では貸家→結婚を機に県内下條村へ移り古民家を購入してリノベーション
旅先でつながったコミュニティを大切に、大工になる道へ
東京で生まれ育った四宮陽我さんは、昔から旅が好きで国内各地を回ってきました。ある時はヒッチハイクで、またある時は野宿をして...。旅先ではさまざまなコミュニティとの出会いがあり、信頼できる仲間がたくさんでき「いつかどこかの森を開拓し、自分たちで住処をつくり、そこで仲間たちのスキルを生かしあえるような暮らしをしたい」との思いを抱くようになります。
高校生の時に陽我さんは、旅先で訪れた京都のゲストハウスで、妻の沙代香さんと知り合います。沙代香さんは、大学時代にグループ旅行でゲストハウスへ滞在したのを機に、よくゲストハウスを利用するようになったと言いいます。
「大学の時は学校とバイトのコミュニティにしか知り合いがいなかったんですが、ゲストハウスではいろんな職種の人に会って話しを聞くことができ新鮮で楽しかったです」と妻の沙代香さん。
それからは二人で旅することも多くなり、どこへ旅する時でも目的地はゲストハウスだったと言います。
やがて陽我さんは高校を卒業し、大工になる道を選び、県内飯田市へ移り住みます。
「旅する中で出会ったコミュニティで、リノベーションやDIYの手伝いをすることがあって、それから大工になり、仲間が集まれる場所をつくりたいなと思ったんです」と陽我さん。
夢の実現に向けて始まった、理想の古民家さがし
飯田市で暮らし、大工の勉強をする中で、沙代香さんとの結婚を機に、また新たな住まいを探すようになります
「条件は、住み開きができるよう人が呼べる広さで、中途半端に古くない本棟造りの古民家」と陽我さん。
3年かかり、ようやく希望の住まいが見つかります。
「たまたま下條村の空き家バンクをネットで見て条件に合う古民家を見つけ、それから役場に行って直接話しを聞き、その時はやっと見つかったという思いでした」と沙代香さん。
そうして2018年に家族で、県内下條村の約110世帯程が暮らす粒良脇集落に移り住むことに。
シェアハウスでもゲストハウスでもない、“住み開き”という暮らし
築150年の本棟造りの古民家の隣には蔵もあり、広い庭にはさまざまな樹木が森のように生い茂って、夜は星空が広がります。
「最初は、庭の雑木を切り、庭を整備するところから始めて、屋内の掃除をして住めるようにしました」と陽我さん。
庭には、畑で野菜作りをする時の堆肥用にコンポストも作りました。
そして、友人たちも来て片付けを手伝い、仮設でキッチンを作ることに。材料の木材は大工仕事で余ったものを再利用したと陽我さんは言います。
「シンクやビスや電球、スイッチを除けば、材料費施工費は0円でした」
やがて、屋内の掃除をして住める状態になると、シェアハウスでもゲストハウスでもない、“住み開き”というかたちで古民家を開放し、仲間が集まれる場にしました。「以前は旅先でみんなの家にお世話になったので、今度は自分が場所を提供し、自由に過ごしてもらえれば」と陽我さん。
仲間が集まると庭でごはんを食べたり、夜は庭でたき火を囲んで星空を眺め乾杯したり。2週間滞在した人や長くて3カ月滞在する人もいたと言います。
仲間と過ごせる“秘密基地のような部屋”へ蔵をリノベーション
そんな陽我さんの趣味はリノベーションです。夜、大工の仕事から戻り、家族と夕飯を食べると、まだ手つかずだった隣の蔵の改修作業を進めます。
「まんがを読んだり、仲間と楽しくお酒を飲んだりできる場所にしたい」と陽我さんは話し、天井や床を全て張り替え、壁には漆喰を塗ったり、棚を作ったり。
夢の実現に向け、もくもくと作業を行いながら陽我さんは話します。
「農業が得意な人は農作物を育て、林業が得意な人は森林の整備をして、陶芸が得意な人は器を作って...自分は、仲間たちが居心地良く住める場所をつくって...。それぞれが得意なことを生かして、それがうまく循環しながら、自給自足のようなかたちで仲間たちと暮らせる、“村”をいつかつくるのが夢なんです」
耳寄り情報
下條村の空き家バンクで古民家を見つけました