ホーム事例事例記事信州そばの普及に努める暮らし

信州そばの普及に努める暮らし佐久

信州そばの普及に努める暮らし

プロフィール

お名前

木曽茂さん/井出一男さん

年代

70代 

居住地

佐久市

居住年数

8年/70年

暮らしの経緯
木曽さん:在職中から取り組んでいたそば打ちを退職後も継続し、信州そばの普及に努めています
井出さん:粉もの好きが高じて、そば打ちにはまり、今では全麺協そば道段位認定五段位の腕前になりました
暮らしの中で大切にしていること
木曽さん:おいしいそばを食べられるように、週2日、そば打ち教室で技術向上に励んでいます
井出さん:私のモットーは、その人に合った教え方でそば打ちを指導することです。そば打ちを楽しみながら、そば打ちの仲間を増やしていきたい
これからの暮らしの希望
木曽さん:今後も遊休農地を活用してソバ畑を増やし、いずれは佐久平そばをブランド化して信州そばの普及に努めたい
井出さん:そば打ちを通して地域を元気にして、社会に貢献していく
住まいの変遷
木曽さん:佐久市で一軒家の自宅→就職して上田市に一軒家を新築→退職後に小諸市に移り一軒家を新築
井出さん:旧臼田町で一軒家の自宅→結婚後、佐久市の一軒家の自宅

「信州蕎麦打ち研究会」を立ち上げ、そばの普及と仲間づくり

そば打ちの様子
指導する井出さん(左奥)そば粉を延ばす木曽さん(右)

在職中、職場の上司の誘いでそば打ちを始めたという、そば打ち歴14年の木曽さん。退職後もその魅力にはまり、そば打ちとともに信州そばの普及に努め、2016年に「信州蕎麦打ち研究会」を立ち上げました。

 

現在、協力してくれる企業とともに、佐久地域の遊休農地を借り受けて約2万平方メートルのソバ畑を栽培。栽培したソバの刈り取りから製粉まで行っています。

 

そして、全麺協そば道段位認定の五段位を持つ井出さんとともに、週に2日、そば打ち教室を開いています。

そば打ちの技術向上と段位取得の目的のほか、仲間作りの場にもなっており、当初は20人程だった研究会の会員も、口コミなどでつながり、現在は80人程が教室に通い交流。そのうちの26人が有段者だと言います。

 

「この教室は、そば打ちだけでなく、仲間づくりの場所にもなっていて『最初のうちは、そばは切れるが、人はつながる』という言葉があるくらいです」と笑顔で話す木曽さん。そば打ちが初めての人でも、その日のうちに持ち帰れる分のそばが打てるようになり、好評だと言います。

“そば打ち部屋”もある、環境に配慮した家づくり

木曽さん宅の外観

写真:木曽さん提供 薪ストーブとソーラーパネルを設置した木曽さんの自宅

そば打ちのテーブル

写真:木曽さん提供 木曽さんのそば打ち部屋

そんな木曽さんですが、8年前に小諸市に家を建てた際、そば打ちの腕を磨くため、台所の隣に「そば打ち部屋」を作りました。その部屋で日々、そば打ちの段位取得に向け技術向上に励んでいるそうです。

また、当時は環境に関わる仕事をしていたこともあり、薪ストーブとソーラーパネルも設置し環境へも配慮しました。

地球温暖化の原因とも言われる二酸化炭素の排出を抑えたり、再生エネルギーを使うことで、「脱炭素社会」を目指す長野県に賛同するかたちで、「カーボンニュートラル」につながればと話します。

「環境の仕事もしていたので、薪ストーブを入れました。もちろん、薪を燃やしても二酸化炭素は排出されるんですが、この二酸化炭素は木が成長する上で吸収したものなので、地球上の二酸化炭素の総量は変わらないんです。それに薪ストーブだと、穏やかな暖かさで空気が乾きすぎず、喉が痛くならないのでいいですね」

遊休農地を利用しソバ畑にすることも、カーボンニュートラルにつながると話します。

「遊休農地から穀物を育てたり木が育ったりすると、空気中の二酸化炭素を植物が吸うので、二酸化炭素を固定することになるんです。それに遊休農地を使うと景観にも良いですし」

粉もの好きが高じ、そば打ちの魅力を伝える井出さん

そば打ちの様子

蕎麦打ち研究会の仲間を指導する井出さん

 

一方、そば打ち歴16年の井出さん。

信州の“粉もの”のうどんやおやきが好きだったことで、自分でもそばを打つようになったと言います。そして、11年前に県内塩尻市の「信州そばアカデミー」に通いそば打ちを覚え、そこで行われる段位認定の試験の時に木曽さんと親しくなり、現在は「信州蕎麦打ち研究会」のメンバーとしても教室でそば打ちを教えています。そば打ちの上達はもちろん、交流の場にもなればと話します。

「食べておいしいこともそうですけど、教室に来ることで人との交流の機会が増えるんです。1回打つそばの量は家族だけでは食べきれないです。1キログラムでも10人分くらいになる。じゃあ、友達に分けてあげようかなと、そこから人と人のつながりができる。ほかにも、ここで技術を習得し、老人会でそばを振る舞う時なども、茹でる人、薬味を切る人、天ぷらを揚げる人が必要になり、結局、人が集まってくる。若い人も来れば、また輪が広がるんです」

そば打ちの腕を磨くためにリノベした“そば打ち部屋”

そば打ち用具
写真:井出さん提供 井出さんの自宅の隣の物置小屋をリノベした“そば打ち部屋”

佐久市内の井出さんの自宅にも「そば打ち部屋」があると言います。6畳の物置小屋を工務店に依頼し、5年前にリノベーション。屋根と外観も変え、室内はベニヤに張り替えました。そして、1日1回はそばを打って腕を上げ、現在の五段位を取得。

今後について、木曽さんは「遊休農地を活用してもっとソバ畑をふやして、信州そばの普及に努めたい」と話し、井出さんは「そば打ちを通して地域を元気にして、社会に貢献していければ」と話します。

 

耳寄り情報

長野県元気づくり支援金を活用し、道場の道具を揃えました

カテゴリー

    

チャットで質問

チャットボット

閉じる