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「地域で暮らす人」との交流を大切にする二地域生活上伊那

「地域で暮らす人」との交流を大切にする二地域生活

プロフィール

お名前

田邊寛子さん

年代

40代

居住地

辰野町

居住年数

3カ月(2020年9月~)

暮らしの経緯
辰野町には依頼された仕事がある度に来ており、東京との二地域暮らしに
暮らしの中で大切にしていること
辰野町の魅力を伝えて恩返しをしたい
これからの暮らしの希望
辰野町で英気を養い、刺激を受けて、東京との二地域のバランスをうまくとっていきたい
住まいの変遷
大学時代は東京の実家と賃貸アパート→社会人になり東京で賃貸アパートとマンション→東京と辰野町の二地域居住 辰野町滞在時は、シェアアトリエ会員専用シェアハウス

東京で受けた恩恵を、“感謝の気持ち”と“アイデア”で辰野町に恩返し

ペンキ塗り作業の様子
写真:田邊さん提供 東京都品川宿のシェアスペース「うなぎのねどこ」をリノベする辰野町民たち

まちづくりコンサルタント・景観デザイナーとして、東京の「葛飾区柴又の景観デザイン」や沖永良部島の「えらぶゆりの景観づくり」など多くのまちづくりに携わってきた田邊寛子さん。

2015年から、空き家活用プロジェクトとして東京都品川宿の築100年の町屋を改修し、シェアスペース『うなぎのねどこ』を運営。その改修に、辰野町出身の一級建築士・赤羽さんと、辰野町民の方々が手伝いに来られた縁で、辰野町との交流が始まりました。

「当時、辰野町には『商店街の空き店舗をなんとかしていきたい』という思いがあり、ペンキを塗りながら話したのを覚えています」と田邊さん。

その後、田邊さんは、当時のお礼にと辰野町を訪れ、自身のアイデアを伝えました。

「私にできるお礼は、自分の知見でアイデアを出すこと。辰野町のマイクロツーリズムについて、『地元や観光の方が、歩いて辰野町を楽しめるように、地域資源を生かしてみてはいかがでしょうか』という、“企画書をプレゼント”したんです」

こうした縁を経て、2016年から3年間、辰野町の横川渓谷のトレッキングコース開発に携わるようになりました。そうしている間に地域との交流も深まり、道で会うと「また、来てくれたんだね」と声をかけられるようになった、と田邊さん。次第に居心地の良さを感じるようになっていきました。

居心地の良い、仲間がいるシェアアトリエと会員限定シェアハウス

シェアアトリエ「STUDIOリバー」
STUDIOリバーで仕事をする田邊さん
抹茶をたてる田邊さん
STUDIOリバー会員限定のシェアハウス。朝は抹茶をたててリズムを整える日も

「うなぎのねどこ」の改修を手伝いにきた赤羽さんが、地元の辰野町商店街の空き店舗を改修し、シェアアトリエ「STUDIOリバー」をオープン。

田邊さんも仕事で訪れるたびに「STUDIOリバー」を利用し、「STUDIOリバー」会員限定のシェアハウスに宿泊するようになりました。

世の中のライフスタイルが変わり始め、多くの人がリモートワークをするようになった2020年、田邊さんもお試し的に東京と辰野町の二地域生活をするようになりました。シェアハウス近くには、顔馴染みの住民もでき、会うとついつい話が弾んでしまうと言います。

「東京みたいに行きつけのご飯屋さんがあったり、顔見知りがいるって心地よいじゃないですか。だから、どこかのホテルに行くのではなく、“行きつけの里山”として、ここにリピートしています」と田邊さん。

朝は地の野菜でスープを作ったり、持参した茶道具で抹茶をたて、窓から景色を眺めることから始まります。

お気に入りの景色と心地よい風で、心を整える

「STUDIOリバー」への通り
お気に入りのルートを通り天竜川沿いを通って「STUDIOリバー」へと

辰野町では、お気に入りのルートを通り、仕事場として利用する「STUDIOリバー」へと出勤。

「こういう暮らしの歴史が見える風景ってすごく私、好きなんですよ、東京の暮らしには無いので。手入れのされた生垣や蔵の佇まい、小道のスケール感とか、すごくいいなと思っていて。美しくないですか?」

「STUDIOリバー」では、全国各地の地域づくりや景観づくりの計画を検討したり、ZOOMで大学のオンライン授業をしたり。設備も整っているので、東京にいなくても問題なく仕事ができると言います。

人と場所の両方のマッチングを大切にする、丁寧な暮らし

池のほとりのベンチ

辰野美術館のイベントに行き、ベンチで住民とお昼を食べる田邊さん

二地域暮らしを始めて3カ月。田邊さんは、「人と場所の両方のマッチングが大切」だと感じています。

「地域の状況や環境を知らないで来てしまうとお互いストレスになる部分があります。ゲストハウスやお店とか、地域とのつながりをゆるく丁寧につないでくれる存在が実は大事で、住む場所のマッチングだけじゃなく、人のマッチングも重要です。それができると、いろんなことがうまく回っていくんじゃないかな」

今後の二地域暮らしについては、期間や頻度も考えて、自分に合ったスタイルをみつけていきたいと話します。

「辰野町では、2015年ぐらいからまちづくりや人づくりに力を入れ始め、どんどん面白いことや人が集まっていると感じています。私も辰野町で、新しい価値観の人との刺激的な出会いなどを楽しんでいます。

身近に自然がある環境で仕事や生活をして、四季の気配や時の移ろいを感じながら、忙しい暮らしを整えることは私にとってとても大切です。これからも、辰野町で英気を養い刺激を得て、全国各地の景観づくりや活性化の仕事をしていくのが理想です」

 

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