植物のある暮らしが心地いい松本
2020年12月16日
プロフィール
お名前
ポインター•すみれさん
年代
40代
居住地
松本市
居住年数
8年
- 暮らしの経緯
- 夫の仕事の関係で三重県から長野県へ移住。県内をいくつか周り、自然が多く高速のICもあり、暮らしやすそうな松本市に自宅を新築
- 暮らしの中で大切にしていること
- 家族の時間と、『自然』に近いライフスタイル。植物の力を生活の中で生かしていけるような暮らし
- これからの暮らしの希望
- 家に来てくれる人や周りの人が、植物を楽しめるような庭とコミュニティをつくり、もっと『自然』に目を向けてもらいたい
- 住まいの変遷
- イギリス時代は庭付きのテラスハウス→三重県では実家の一軒家→松本に移り、貸家。その後、一軒家を新築
健康で心豊かに過ごすための
「ハーブやアロマ」のある暮らしを提案
ボタニカルアロマデザイナーとして植物の芳香成分を使い、“香り”を表現するポインター•すみれさん。
海と山に囲まれた三重県の町で育ち、「自然とアート」が昔から好きで、名古屋の美大を卒業後、都内で就職し、1999年に渡英。
イギリスの美大に通っていた時に夫のポールさんと出会い結ばれました。すみれさんとポールさんは「自然を大切にする価値観が一緒だったんです」とお互いをリスペクトしています。
ポールさんは、日本では数少ないアーボリスト(樹木専門の知識を持ち公共の場にある木の安全と美しさを保つためのケアをするスペシャリスト)として木の特殊伐採をし、とても誇りを持っています。
イギリス時代に触れ合った、植物やハーブの
“香り”と“記憶”
「11年間暮らしたイギリスでは、多くの家庭の庭でハーブが植えられ、普段の暮らしにとても身近で、私もその影響でハーブに親しんでいました」とすみれさん。
「イギリスで1人目の子を妊娠したころ、体調が変化し、それまで好きだった香水の人工香料を受け付けなくなったんですが、ある時、お風呂に入れていた精油の香りは不思議とよかったんです。それが自分の中の大きな体験としてあり、もっと精油について深く学ぼうと思いました」
精油やハーブのある暮らしを始めてからは、気持ちと体のバランスが良くなったことも、今の暮らしに大きく影響しているそうです。
やがて2011年に2人目の子どもが生まれたのを機に、三重県の実家に家族4人でUターン移住。
当時、ポールさんはアーボリストの仕事の関係で、県内伊那市に通う機会が増え、2人は自然に囲まれた長野の魅力を肌で感じるようになりました。
2012年にはポールさんの仕事のこともあり、「田舎にある自然と便利な街のバランスがちょうど良く生活しやすそう」と家族で松本市へ移住したのです。
こだわったのは、自然素材の家づくりと植物のある暮らし
2019年に松本市でも森に近い場所に新居を構えました。家づくりでこだわったのは、「身体に心地いい、自然の素材を使うこと」です。
家の中の壁には、漆喰や土壁、断熱材はウール、柱や床にはカラマツやヒノキ、スギを取り入れ、とても快適に暮らしています。
また、外の自然を感じられるように、ベランダにウッドデッキを設け家の中とつながるようにし、とても快適に暮らしています。
庭ではガーデニングをして約40種のハーブ類を育て、その育て方やブレンドティーの作り方などを自宅レッスンなどで提案しています。
植物と共に育まれる、人との交流とハーブの可能性
「普段は何を飲まれますか」「ラベンダーはお好きですか」「カモマイルも入れてみますか」
ハーブティーのレッスンでは、その人の好きな味やにおいを聞きながら、世界各地のハーブや庭で栽培したハーブを使ってブレンドのレシピを作っていきます。
「一番の基本はおいしいかどうか、その香りが好きかどうか。私たちは本能で分かっていますから。例えば、ラベンダーは鎮静作用があり落ち着いたりリラックスすると言われますが、濃度を突き詰めて濃くしていくと、今度は覚醒作用に変わるんです。おもしろいですよね」とその魅力を楽しそうに話す、すみれさん。
参加者はレッスンを通し、ハーブやアロマを暮らしに取り入れ、健康で豊かに暮らすヒントを持ち帰ります。
「ハーブティーはあまり飲まなかったんですが、ブレンドして自分好みの味を見つけてからは、気分に合わせ、毎日 楽しんでいます」
「木のブロックに自分でブレンドした精油で香り付けして、クローゼット用のアロマクラフトを作ったんですが、家族にも『いい、においがする』って喜ばれて」
今では、その魅力が口コミで広がり、同じ市内の女性たちが自宅を訪れ、ハーブを通し、楽しみながら交流を続けています。
また、最近ではハーブを通し、他業種の仕事とも交流が広がり、詩人と“植物のある風景”をテーマにした展覧会を安曇野で開いたり、同じ市内の古くからある銭湯と“街と森を結ぶ湯屋“というコンセプトに沿った「天然素材の薬湯」のディレクションをしたり、表現の場も増えています。
「庭は自分たちのためでもあるんですけど、家に来てくれる人や周りの人にも植物を楽しんでもらえるよう、もっと充実させていきたいです。一人でも多くの方に『自然』に目を向けてもらえるきっかけになればいいですね」と自然への思いも教えてくれました。
耳寄り情報
松本市では住宅新築時の記念樹として苗木を頂けるそうです